いつしぬかなんてだれだってわからないだろう、明日車に惹かれてしぬかもしれないし
明々後日大震災がおきて、この国のみんながしんでしまうかもしれないだろう。

まあ、それが「運命」というものだと、受け止めていればなんてことない、

まあ、「心身共に健康」でまいにち自分のしなければいけない事を全力でやってる人達に比べれば、
僕なんかは、このせかいからいなくなる、
なんてすぐそこだろう。

なんて、自分がおもってることをぼそぼそと口に出しながら歩く、ナースステーションの横を
通る、看護師さんたちは一瞬しゃべるのをやめ、「おやすみなさい」と言ってくれる、
僕が「おやすみなさい、」
って言うと、止まっていたおしゃべりは再開する、
ゆっくりと歩きながら盗み聞きをする、
これがちょっとした楽しみだ、このびょういんのいろんなことがわかるから。

きょうは六階にきた女の子のはなし、
名前はサキちゃん、まだ小学生なのに記憶喪失になったとか、

良いなあ、きおくそうしつって全部忘れられるのかな、
嫌な思いでとか、嬉しかったこととか、全部リセットできるのかな、
「サキちゃん」と話すきかいがあったらきいてみようか、

でもどうなんだろ、聞かれるってどうなんだろう、
まー、ちいさい子ってことだから、なかよくなって、
一緒にお菓子とか、たべられないかな、どーかな。

考えてたら勝手にあしが進んでいたようで、自分のベットの前まできていた、
ふかふかの布団に潜り込むと一気にその子について興味がわいて、
ううん、てうなって、どうしようか。


でも今日もう遅い、「サキちゃん」は起きてないだろう、
夜更けにぬるいコーヒーを飲む、
ねむくなってきたな、彗星におやすみっていって、就寝


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